要点:ガイド波レーダー(GWR)は、ロッドまたはケーブルに沿ってマイクロ波を伝搬させ、液面や界面までの距離を測る連続式レベル計です。選定では測定レンジだけでなく、媒体の誘電特性、プローブ形式、付着、ノズル、上部不感帯、引張荷重、温度・圧力、接液材質を確認する必要があります。
1. ガイド波レーダーの測定原理
電子部から送信されたパルスはプローブに沿って進み、誘電率が変化する境界で反射します。機器は反射信号の伝搬時間から距離を算出し、空距離の設定値を用いてレベルに変換します。自由空間レーダーと異なり、信号経路がプローブで規定されるため、狭い容器や内部構造物が多い設備で有利な場合があります。
ただし、プローブへの付着、ノズル内接触、ケーブルの揺れ、上部の近距離反射は測定を乱します。GWRだから自動的にすべての低誘電率液体や泡を測れるわけではなく、実媒体での反射条件を確認する必要があります。
2. プローブ形式の選び方
ロッドプローブ
短~中距離の液体タンクや、プローブを安定して設置できる用途に適します。曲がりや横荷重を避け、ノズルや攪拌機との干渉を確認します。
ケーブルプローブ
高いタンクやサイロに使用できます。充填流、材料の引張力、摩耗、揺れを考慮し、必要な場合だけ下端固定を採用します。固定部は熱膨張と引張荷重を吸収できる構造にします。
同軸プローブ
信号が外管内を伝搬するため、比較的明確な測定経路を得られます。一方、粘性物や結晶化物が内部に詰まる用途には適さないことがあります。
3. 選定時に確認するプロセス条件
- 媒体名、誘電率の目安、導電性、粘度、腐食性
- 通常および最大の温度・圧力
- 測定レンジ、ノズル寸法、最高液位、デッドゾーン
- 泡、蒸気、付着、結晶化、攪拌、充填流
- 界面測定の場合は上層と下層の誘電率差および上層厚さ
- 4–20 mA/HART、電源、危険場所認証、接地条件
界面測定では上層を通過した信号が界面で十分に反射することが必要です。エマルジョン層が厚い場合や誘電率差が小さい場合は、事前試験または別方式の検討が必要です。
4. 機械設置の注意点
プローブをノズル中心に配置し、壁、攪拌軸、加熱コイルなどに接触させないでください。長いケーブルでは容器の運転状態で揺れと張力が変化します。下端固定を使用する場合も、プローブを過度に張らず、温度変化と材料荷重を考慮します。
ノズル内に付着しやすい製品では、ノズル径と長さ、プローブとの隙間を確認します。プローブを切断または延長した場合は、実長に合わせて再設定し、基準点からの距離を再確認します。
5. 配線とコミッショニング
電源電圧、ループ負荷、シールド、接地、危険場所用バリアを図面に従って接続します。初期設定では空距離、プローブ長、測定単位、4 mA点、20 mA点を入力します。その後、エコーカーブで上部反射、製品表面、プローブ終端を識別します。
受入試験では少なくとも低・中・高の三点で基準値と比較し、4、12、20 mAをPLCまたはDCSで確認します。初期エコーカーブとパラメータを保存しておくと、付着やプロセス変化の診断に役立ちます。
6. よくある不具合と対策
- 上限付近で値が不安定:ノズル反射、上部不感帯、付着を確認します。
- 急に信号を失う:プローブ接触、断線、結晶化、界面条件の変化を確認します。
- 空タンクで誤表示:プローブ終端反射と空距離設定を確認します。
- 値が遅れる:ダンピングが過大でないか、実際のプロセス応答と比較します。
よくある質問
低誘電率液体にも使えますか?
使用できる場合がありますが、反射強度は媒体、プローブ形式、レンジ、付着条件に依存します。仕様値だけで判断せず、メーカーに実条件を提示してください。
ケーブルプローブは必ず下端固定しますか?
いいえ。揺れや壁接触を防ぐ必要がある場合に検討します。固定による引張荷重や熱膨張の影響も評価します。
保守で最初に確認する箇所は?
プローブの付着・変形・接触、接続部、エコーカーブ、設定履歴を確認し、清掃方法が接液材質とシールに適合することを確認します。
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執筆:Arvin · 出典:METRAVON Instruments
