80 GHzレーダーレベル計の設置では、設定値を決める前に、アンテナと測定対象の間に必要な空間を確認します。接続部が取り付けられても、ノズルが信号経路を遮る、攪拌翼がビームを横切る、最高液面が近距離側の測定限界に入る、といった問題は残ります。機器の発注やノズルの製作前に、これらの寸法を照合してください。

アンテナと容器を同じ寸法基準で確認する
タンクの立面図だけでは、近くの流入口とビームの位置関係を判断できません。断面図と平面図に、機器の測定基準、ノズル内径と長さ、最低・最高液面、配管、コイル、はしご、可動部を記入します。流入口の屋根接続位置だけでなく、流入液が液面に当たる位置も示してください。
寸法は完成後の取付構成を基準にします。選定後に追加したスペーサーはアンテナ位置を変え、内面ライニングは有効内径を狭めます。容器製作図と機器図面の基準面が異なる場合は、両図面を承認する前に整合させます。
液体用のMETRAVON MV-RD14Gは44 mmのPTFEアンテナと公称6°のビーム角を持ちます。MV-RD15Gは76 mmのPTFEアンテナと公称3°の構成です。この値はそれぞれのアンテナ構成を表すもので、そのまま必要ノズル内径を示す値ではありません。
80 GHzレーダーレベル計の設置で使うビーム幅の概算
ビーム角が全角で示されている場合、距離Dでのビーム直径は、幾何学的に2 x D x tan(angle / 2)で概算できます。例として距離10 mでは、6度で約1.05 m、3度で約0.52 mです。予定経路と内部構造を比較するための計算であり、最小ノズル内径を定めたり、特定の設置で測定できると証明したりするものではありません。
公称ビーム角は、外側に反射が存在しない境界ではありません。計算した円錐の外にある近接反射物も測定に影響することがあります。また、この概算ではアンテナ直近の現象を十分に説明できません。長いノズルや狭い通路は、単純な三角形をアンテナ面まで延長して判断せず、選定した構成の設置図面で評価します。
| 図面上の項目 | 確認すべき内容 |
|---|---|
| ノズル内部 | 有効内径、長さ、溶接部の突出、ライニング、アダプター内部の段差。呼びフランジ径だけでは開口状態を確認できません。 |
| 最高液面 | 文書化された基準面から、測定が必要な最高面までの距離。プロセス上必要な波立ちや泡の余裕も含めます。 |
| 可動部 | 停止時の写真の位置ではなく、攪拌機や分配器が動作中に通過する範囲。 |
| 保守空間 | 接続部へのアクセス、アンテナ点検、現場で承認された方法による機器の取り外しに必要な空間。 |
最高液面の上にも測定余裕を確保する
カタログの最大測定距離は遠距離側の条件です。近距離側にも、型式と取付構成ごとの限界があります。確認対象が通常運転の液面なのか、泡の上面なのか、運転員が把握する必要のある異常上昇なのかを明確にします。切りのよいスパンにするためだけに、アンテナ面を満量点に設定しないでください。
使用可能な測定範囲と、プラントの警報設計は分けて確認します。ダンピング、通信、受信側の処理によって表示が遅れる場合があります。運転余裕と必要な独立保護機能は担当技術者が評価する事項であり、アンテナとの離隔確認だけで過充填保護の評価を済ませることはできません。

プロセスにさらされる部品を個別に確認する
アンテナ、シール、接続部の材質をそれぞれ特定します。PTFEアンテナを備えていることは、すべての部品の耐薬品性を意味しません。貯蔵液に加え、洗浄薬品と洗浄条件も含めて評価します。高温の屋根や断熱材の近くでは、プロセス接続部の温度と電子部周囲の温度を区別してください。
固体用途では、測定距離とレンズ径だけを見て液体用構成を選ばないでください。MV-RD21Gは固体用構成です。設置位置の評価には、投入・排出による堆積面の形状も含まれます。構造物に遮られないビームであっても、必要な在庫指標に適さない位置の表面を測定している可能性があります。
ケーブル仕様を確定する前に電気仕様を決めます。2線式4-20 mA/HARTと、別電源を用いるデジタル構成では接続条件が異なります。納入機器に対応する端子図を使ってください。シリーズ共通の製品写真では、搭載される電子回路を特定できません。
偽エコー抑制を設定する前に施工を確認する
実際のノズル、アンテナ位置、基準寸法を承認図と照合し、製作時の変更を記録します。未評価のレデューサーや傾いたブラケットを、抑制設定の調整で見えなくしないでください。
その後、既知のプロセス状態で測定し、割り当てた値が受信側まで正しく届くかを確認します。完成寸法と最終設定は一緒に保存します。立上げ時に低レベルや充填中の状態を観察できなければ、未確認の条件を記録して試験を手配します。反射の調査にはレーダーのエコーと出力の診断ガイドを参照してください。

設置前の確認事項
Q1. ノズル内径がアンテナより大きければ、長いノズルも使用できますか。
内径だけでは判断できません。長さ、アンテナの位置、内部の段差、必要な測定範囲も関係します。組み上がったノズルの断面と、正確なアンテナ図面を提出してください。内径を大きくしても、任意の深さまで奥まった取付位置が自動的に許容されるわけではありません。
Q2. 常に容器の中心へ向ければよいですか。
いいえ。適切な位置は表面と障害物によって変わります。液体タンクでは流入口や攪拌機が中心位置を不適切にする場合があります。サイロでは中心が変動する山頂や排出時のくぼみになることがあります。必要な指示に適した観測面を選び、その経路全体を評価します。
Q3. ノズル製作前に何を提出すればよいですか。
容器の断面図と平面図、予定接続、内径と長さ、内部構造、運転時の表面位置、測定物を提出します。不確かな寸法も明示してください。製作者が一般的な製品写真を基に施工しないよう、構成別の設置図面を依頼します。
レイアウトを変更できる段階で照合する
アンテナ位置、使用可能な測定領域、保守空間は、ノズル製作に着手する前に整理します。予定図面を添えてMETRAVONへ設置条件を問い合わせてください。既設容器でアダプターを使う場合や機器を交換する場合は、タンクレーダー更新時の確認ガイドで基準面と組立条件も確認できます。
