80 GHzレーダーレベル計は、表面に向けてマイクロ波を送信し、反射信号を解析して距離を測定します。その距離を有用なレベル値に換算するには、基準位置と測定する表面の定義が必要です。レベルを体積や質量に換算するには、さらに情報が必要です。周波数だけでは、これらの定義は何も得られません。
距離をタンクのレベルに換算する仕組み
FMCW方式では、掃引中に送信周波数が変化します。反射信号の遅延により周波数差が生じ、機器はそれを処理して距離を推定します。受信回路には、容器やプロセスから生じる反射の中から目的の反射を選ぶ機能も必要です。
上部に固定した基準点と水平な表面の場合、レベルはH = E - dと表せます。Eは基準点からゼロ位置までの距離、dは観測された表面までの距離です。すべての量で同じ基準と単位を使う必要があります。液体が動かなくても、アンテナを移動すればこの位置関係は変わります。
例えば、Eを6.0 mと仮定し、測定したdが2.4 mなら、H = 3.6 mです。これは幾何学的な計算例であり、機器設定の推奨値ではありません。タンクの換算関係がなければリットルは求められず、追加の材料情報がなければトン数も求められません。
80 GHzレーダーレベル計は周波数だけでなく機種ごとに選ぶ
| 公表されている機種例 | 仕様と選定時の確認事項 |
|---|---|
| MV-RD12 | 32 mm PTFEレンズ、公称8度のビーム、記載の距離範囲0.1-30 mを備えた液体用機種。 |
| MV-RD21 | 76 mm PTFEアンテナと公称3度のビームを備えたバルク固体用機種。測定範囲の構成を選定する必要があります。 |
| 共通の周波数 | ビーム幅、プロセス接続、環境条件の制限、受入判定に使う精度が同じであることは意味しません。 |

液体用途の評価候補はMV-RD12です。一方、MV-RD21は異なるアンテナとバルク固体用途に対応します。障害物を確認する際に、固体用機種のビーム角を小型の液体用機種に当てはめてはいけません。
ビームを絞ると配置上は有利でも、すべての不具合がなくなるわけではありません
周波数が高いほど波長は短くなり、同程度のアンテナ寸法ならビームを狭くできる可能性があります。ただし、実際のアンテナ設計も重要です。狭いビームははしごやコイルを避けられる場合がありますが、サイロ全体の在庫量を代表せず、局所的なくぼみに観測が集中することもあります。
泡、付着物、結露は、実際のプロセス条件で評価する必要があります。非接触測定でも、アンテナが清浄に保たれるとは限らず、有効な液面反射が常に得られるわけでもありません。性能が不確かな場合は、一般的な「耐干渉性」の主張に頼らず、実証すべきプロセス条件を明記してください。
換算と異常時処理を行う箇所を決める
伝送器が送るのは距離、レベル、または別の設定変数のどれなのかを文書化してください。受信側のPLC、RTU、データロガーは、整合する単位と意図した対応関係を使う必要があります。システム内の異なる箇所で、距離からレベルを求める同じ減算を二重に行わないようにします。
在庫管理では、承認済みのレベル・体積換算表と、容器改造後にその表を管理する責任者を明確にします。警報用途では、測定値が得られない場合のシステム動作を定義してください。最後の有効なレベルを取得からの経過時間なしで表示すると、測定の故障が隠れる場合があります。
Q1. 80 GHzなら、設置状態で自動的にミリメートル単位の精度が得られますか?
周波数だけでは設置状態での精度は決まりません。選んだ機種の距離測定仕様を使い、現場の基準測定方法、運転条件、受入限界を合意してください。取付け、選択される表面反射、受信側の量程換算を、それぞれ別の影響要因として確認します。購入要件が体積や在庫質量の場合は、距離仕様をそのまま適用せず、換算と材料情報の不確かさも含めてください。
Q2. レーダーで内容物を直接計量できますか?
レーダーが観測するのは反射面までの距離であり、容器内の全内容物の重量を直接測定するわけではありません。質量推定には、適切な体積換算関係と材料情報が必要です。固体サイロでは、局所的な1点の表面観測で全体の形状を表せない場合があります。購入目的が質量の取得なら、提案された在庫量測定方式の不確かさと設置作業を、計量方式と比較してください。
Q3. 測定距離が最も長い機種が、最も無難な購入選択ですか?
広告上の最大測定距離より先に、使用可能な距離範囲と設置条件で選定してください。提示された仕様について、必要な最も近い表面、低レベル時の距離、アンテナ位置、プロセス条件、受信インターフェースを確認します。長距離仕様を選んでも、不適切な近距離領域やノズルは解決しません。また、必要な運転状態で目的の対象を識別できる証拠にもなりません。
まとめ
タンクで必要な測定量から出発し、アンテナと基準位置までさかのぼって検討してください。容器形状、内容物、受信システムの要件を提示し、80 GHz機種の評価をご依頼ください。
