材料を引く力が同じでも、ガイドローラーを動かすと張力の読み値が変わることがあります。そのため張力センサーの選定では、機械仕様の最大張力だけでなく、材料の通過経路と測定方向を考慮する必要があります。ウェブ材、線材、ケーブルの装置では、工程の張力がセンサーへの荷重にどう変わるかを明らかにしてから定格荷重を選びます。

張力センサーの選定は材料経路で変わる
測定ガイドへの進入・退出方向を描き、ガイドに作用する力の矢印を示します。特に移動するダンサーロールや巻径で経路が変わる場合を含め、すべての運転位置を示してください。材料の力のベクトル和がガイド荷重を決めます。そのうち指定された測定方向に作用する成分だけが、意図した測定に寄与します。
材料経路がほぼ直線の場合、わずかな方向変化で生じる半径方向の力は、ライン張力が大きくても小さいことがあります。センサーの定格荷重を大きくしても、この弱い信号は改善しません。逆に方向変化が大きいとガイド荷重が増え、測定範囲を消費します。必要な定格荷重とゲインを計算する前に幾何学的配置を確認してください。
摩擦や駆動によって両側の張力が異なる場合は、それぞれの実際の張力を使います。支持されたローラーでは、自重、軸受反力、その測定方向への成分も含めます。カタログの定格荷重はセンサーに加わる荷重の定格であり、そのまま許容ライン張力の設定値にはなりません。
検出構造を機械に合わせる
| 候補 | 取付け方式 | 注文前に解決する事項 |
|---|---|---|
| MV-LC0130 | 一端固定・他端負荷のラジアル張力センサー。参考範囲10-50 kg | 計算した半径方向の荷重が、ガイドから意図した位置と方向に加わるか? |
| MV-LC0147 | 軸受を用いたローラー取付け用の貫通軸型張力ロードセル | 提案されたローラーと支持部に合う軸、軸受、定格荷重の構成はどれか? |
MV-LC0130には糸、金属線、布の張力用途の資料があります。参考感度は1.5 +/-0.05 mV/V、励起電圧は5-12 Vです。記載範囲10-50 kgはカタログの荷重表記です。工程張力は合意した力の単位で示し、定格との関係を求めるために必要な幾何学的配置も提示してください。
MV-LC0147は取付け方式が異なります。製品群全体の定格範囲だけで注文せず、完全な構造仕様を入手します。軸径、軸受構成、取付け寸法、定格荷重は、同じ提案仕様に対応している必要があります。どちらの設計も、静止したワイヤロープを点検するクランプ式計器の代わりになるとは限りません。
片側の支持部を測るか、両側を測るか
両端支持のローラーでは、片端の反力は材料がローラーのどこに荷重を加えるかで変わります。幅の狭いウェブ材が横に移動すると、総張力に同じ変化がなくても反力の配分が変わる場合があります。両側の支持部を測定する必要があるか判断し、出力の合成方法を定義します。
許容されるウェブ位置と運転状態の全範囲で荷重配分が成り立つと確認できない限り、片側の読み値を単純に2倍にしてはいけません。ローラーとフレームの剛性、軸受の芯合わせ、熱による動きを確認します。暖機後に機械的な接触が変わる場合、電子的なゼロ調整では原因を直さずに症状を隠すおそれがあります。
片持ち式ガイドでは、許容負荷位置と生じるモーメントを確認します。張出しが長いガイドに交換すると、材料経路が似ていても負荷条件が変わる場合があります。問い合わせにはセンサーの取付けねじ寸法だけでなく、ガイドの寸法も含めてください。
張力制御を調整する前に測定系を立ち上げる
定義した無負荷状態から始め、各センサーの読み値を記録します。承認された試験治具を使い、意図した材料経路を通じて適切な既知の力を加えます。関連するガイド位置で繰り返し、荷重増加時と減少時を比較してください。コントローラーの調整前に、センサー信号からライン張力への換算関係を試験で定める必要があります。
次に、加速と停止に関係する条件を含め、想定する機械動作の下で試験します。測定値とコントローラー指令を記録で確認できるようにします。振動には駆動系、ローラー慣性、摩擦、信号遅延が関係する場合があります。フィルター設定を強くすることは原因診断にはなりません。
励起電圧、増幅器の範囲、更新タイミング、出力インターフェースを一つの信号系として指定します。ここで引用するMV-LC0130のデータはmV/Vセンサーのもので、4-20 mAやModbus RTUを直接出す機器ではありません。PLC信号ガイドでは、必要な変換をどこで行うか説明しています。センサーの静的精度から制御帯域幅を推定せず、選定した電子機器の時間応答情報を求めてください。
ライン改修時の質問
Q1. 材料を通した状態で張力表示をゼロにできますか?
残留力が既知で、手順上その力が許容される、定義された基準条件でのみ可能です。張力のあるウェブ材をゼロ調整すると、実際の工程荷重が表示から消える場合があります。自動調整を有効にする前に、基準にローラー自重、軸受の予荷重、材料との接触を含むか記録してください。
Q2. 軸受を交換した後で表示値が変わったのはなぜですか?
校正を変える前に、はめあい、予荷重、摩擦、支持位置を確認します。交換によりセンサーへ伝わる力が変わった可能性があります。無負荷時と既知の力を加えたときの読み値を以前の基準値と比較し、機械系を復旧してから設置状態の換算関係を再検証してください。
Q3. モデルを選定できる具体的な問い合わせには何が必要ですか?
材料、幅または直径、張力範囲、速度、ガイド図面、進入角と退出角、ローラー重量、支持構成を提示します。制御の目的と受信側電子機器も添えてMETRAVONの問い合わせ窓口へ送ってください。センサーのみ必要か、取付け部品、信号調整、試運転支援も必要かを明記すると、見積もりの範囲が明確になります。
まとめ
張力センサーを選ぶ前に、測定支持部に加わる力を計算します。ガイドの幾何学的配置、軸受条件、電気的な換算を管理し、設置状態でライン張力との関係を試験してください。センサー自体が変わらなくても、材料経路やローラー組立体の変更後には再検証が必要になる場合があります。
