モーター出力は回転トルクセンサー選定の参考になりますが、センサーに加わるすべての荷重を表すわけではありません。起動、制動、機構の停止拘束では、定常運転と大きく異なる条件が生じる場合があります。トルクと回転速度を併せて指定し、意図しない軸荷重を負担させずに、提案されたセンサーを実際の駆動系に取り付けられるか確認してください。

回転トルクセンサーの選定にはトルク・回転速度の使用範囲が必要
通常のトルク範囲、測る必要がある最小変化、想定する最大過渡トルク、両回転方向、最高使用回転速度を記載します。分かる場合はピークの持続時間と反復条件も示してください。機械的検討には出力側の固着や駆動装置のトリップなどの異常条件も必要です。これらを通常の校正点として扱ってはいけません。
定常状態の軸動力では、トルクN mはおよそ9550×動力kW÷回転速度rpmです。例として、1000 rpmで伝達する2 kWは約19.1 N mに相当します。この計算で用いるのは測定対象軸の動力です。モーター銘板の値や電気入力値が、その軸動力とは限りません。
この式では、回転速度ゼロでの拘束トルクは求められず、起動時や逆転時のピークの上限も定まりません。測定範囲を選ぶ前に、駆動系と負荷の関連情報を入手してください。範囲を大きくしすぎると摩擦や効率の試験に必要な信号が小さくなり、通常動力だけで選ぶと実際の使用条件に耐えられない場合があります。
MV-LC0148の参考データで確認できること
| 項目 | 参考仕様 | 購入時の確認事項 |
|---|---|---|
| 定格トルクの製品群 | 0.1-500 N m。記載された個別の定格値 | 正確な定格を特定します。製品群の範囲はソフトウェアで任意に選べる一つの測定範囲ではありません。 |
| 公称出力 | 1.0-1.5 mV/V | 納入品の感度と適合するコンディショナーの要件を求めます。 |
| 励起電圧 | 推奨12 V、最大15 V | 最大値を通常設定にせず、実際の電気構成を確認します。 |
| 公表最高回転速度 | 最大4000 rpm | 必要なトルク、回転速度、設置条件で連続運転が許されるか確認します。 |
METRAVON MV-LC0148の参考図面では、0.1-100 N mと200-500 N mの寸法グループが分かれています。そのため定格が大きいと、軸接続や必要スペースも変わる場合があります。カップリングの購入やベースの加工前に承認図を求めてください。
公表された最高回転速度だけでは、連続使用可能な全条件は分かりません。同様に、双方向トルク出力の記述は、応答帯域幅、回転速度出力チャンネル、コントローラー用プロトコルを規定するものではありません。これらの要件は提案構成について確認する必要があります。
カップリングを注文する前に軸系を検討する
モーター、センサー、被駆動機械、支持部、カップリングを図示します。軸中心高さ、キー溝、軸方向の隙間、各軸受が負担する荷重を特定してください。センサーは汎用のフレキシブルカップリングではなく、芯の合わない軸を引き寄せて位置合わせするために使ってはいけません。
カップリングは、トルク、回転速度、設置状態で許容される芯ずれに適合させます。選定はねじり挙動にも影響する場合があります。公開資料にない場合は、許容ラジアル荷重とアキシアル荷重、必要な取付け方法を確認してください。トルク定格から軸受の許容荷重を推定してはいけません。
回転部には、装置で承認された保護カバーと安全な設置手順が必要です。軸長、カップリング、支持部の変更はすべて駆動系の検討に含めます。静的トルクが正しく読めても、組立体が意図した回転速度で運転できる証明にはなりません。
データに残す必要のあるトルク現象を決める
運転中の平均トルク測定と短いピークの測定では要件が異なります。現象の持続時間と結果を使う場所を定義してください。センサーとコンディショナーを含む応答、サンプリング、フィルターの情報を求めます。高速のPLCスキャンでも、上流で消えたピークは取り戻せません。
動力や効率を計算する場合、トルクと回転速度は同じ運転時間区間と軸位置に対応している必要があります。別の機器から回転速度を取得する場合は、タイミングと値の換算を確認します。回転軸上で動作するというだけで、MV-LC0148が回転速度信号も出すとは考えないでください。
資料にあるmV/V出力には適合する測定電子機器が必要です。固定側の接続、電源、信号形式、校正、最終インターフェースを見積もりで確認します。時計回り・反時計回りの符号の取り決めは、センサーから記録結果まで統一してください。
試験装置を購入する前の質問
Q1. 静的校正で回転中の性能を証明できますか?
できません。静的校正が確認するのは、明記された校正条件下の測定です。完成した試験装置を、ゼロの挙動、振動、実用トルク範囲を含む必要な運転条件で検証してください。適切な基準方法を使い、回転速度と信号設定を結果とともに記録します。
Q2. 小トルクの研究と、ときどき行う大荷重試験を同じセンサーで測れますか?
測定範囲と電子機器全体が両方の要件を満たす場合に限ります。最小実用トルクに対応する信号を計算し、観測されたノイズとドリフトと比較してください。別々の構成が必要な場合もあります。ソフトウェア表示の分解能では、測定系が識別できない情報を復元できません。
Q3. 見積もり依頼には何を添付すべきですか?
トルク・回転速度の各条件、軸図面と取付け図面、カップリング案、必要な現象の時間条件、データインターフェースをMETRAVONの問い合わせページから送ります。カップリング、信号調整、校正を見積もりに含めるかを明記します。構成を承認する前に、不足している連続運転条件や機械荷重のデータを明らかにしてください。
まとめ
モーター出力だけでなく、実際のトルク・回転速度の使用条件と軸組立体から回転センサーを選びます。MV-LC0148では正確な定格、図面、電気構成を確認し、運転中に必要な測定を検証してください。最高回転速度と静的校正は有用な参考情報ですが、どちらも試験装置の受入計画の代わりにはなりません。
