タンク液位から体積への換算:容量換算表の計算例付きガイド
要点。タンクの液位から体積への換算は、計装より先に形状の問題です。レーダーが数mm以内で液位を示していても、ゼロ点、鏡板、傾斜、容量換算表が誤っていれば在庫量は間違います。体積への線形換算が成り立つのは、断面積が一定の縦円筒です。横円筒、球形タンク、内部構造物が高さによって変わる容器には成り立ちません。
まずゼロ点と単位を決める
表示液位が、タンク底からの高さ、下側接線からの高さ、基準点から下向きの距離、伝送器から下向きの距離のどれなのかを定義します。必要な結果が総体積、現在の液位以下の体積、空き容量、販売可能な使用容量のどれかも確認します。これらは別の量です。
タンクの実際の内寸と図面改訂番号を記録します。公称「10,000リットル」という容量は校正表ではありません。コイルや支持物などが占める内部体積、内張り、傾斜、記載された円筒長に皿形鏡板が含まれているかも確認します。
縦円筒:単純な場合
内半径rで、平底からの液位がhの縦円筒では:
V = πr²h
内径3.0 mなら断面積は7.069 m²です。したがって、10 mmの液位変化は次の体積に相当します。
7.069 × 0.010 = 0.0707 m³ = 70.7リットル
この値は受入時に役立ちます。独立した確認で10 mmの液位変化があるとき、体積表示が120リットル変わるなら、レーダーを疑う前に量程換算を調べてください。
横円筒:高さから体積への換算は非線形
半径r、円筒部長さL、底から測った液深h、0 ≤ h ≤ 2rの横円筒では、充填体積は次のとおりです。
V = L × [r² acos((r − h) ÷ r) − (r − h) × √(2rh − h²)]
逆余弦にはラジアンを使い、単位を統一します。両端の鏡板は実際の形状で別々に加算し、説明なく円筒の追加長として扱ってはいけません。
計算例。内径2.0 m、したがってr = 1.0 m、円筒部長さL = 5.0 mの横円筒を考えます。液深h = 1.25 mでは:
r − h = −0.25 m。
acos(−0.25) = 1.8235ラジアン。
√(2rh − h²) = √0.9375 = 0.9682 m。
液体の断面積 = 約2.0655 m²。
円筒部の体積 = 5 × 2.0655 = 10.33 m³。
高さでは62.5%まで満たされていますが、円筒部の体積では約65.7%です。この違いこそ、このタンクでPLCの4–20 mAから体積への線形換算が誤る理由です。
円筒部だけを計算すると、次の簡略表になります。実運用の容量換算表では、より細かい間隔とし、実際の鏡板と内部構造物が占める体積を考慮します。
| 液深h(m) | 円筒部体積(m³) | 円筒満量体積に対する割合 |
|---|---|---|
| 0.00 | 0.00 | 0.0% |
| 0.50 | 3.07 | 19.6% |
| 1.00 | 7.85 | 50.0% |
| 1.25 | 10.33 | 65.7% |
| 1.50 | 12.64 | 80.4% |
| 2.00 | 15.71 | 100.0% |
丸めた値を使うため、計算結果の末尾の桁にわずかな差が出る場合があります。計算中は全精度を保ち、公表する表だけを丸めます。

mm単位の差を在庫量の不確かさへ換算する
横円筒の中央付近では液面が広いため、小さな液位誤差が体積に大きく影響します。局所的な体積感度は次のとおりです。
dV/dh = 2L√(2rh − h²)
例の測定点ではdV/dhは約9.68 m²です。したがって10 mmの液位差は、鏡板の影響を除いて約0.0968 m³、つまり97リットルに相当します。これはレーダーの誤差が97リットルという意味ではありません。基準点や傾斜の誤差を含むあらゆる液位誤差に、この局所感度を掛ける必要があるという意味です。
低位、中位、高位でこの感度を計算します。断面積が変わるタンク全体に「±Xリットル」と一つの値を示すのは誤解を招きます。
形状から容量換算表を作り、検証する
| 手順 | 必要な成果 | 不適切な表を見つける確認 |
|---|---|---|
| 基準を定義する | 液位ゼロ、基準高さ、傾斜の取扱い基準 | 独立基準と計器が同じゼロを使っている |
| 形状を区分する | 直胴部、各鏡板、円錐部、移行部 | 寸法が図面と整合する |
| 内部構造物の占有体積を差し引く | 高さごとの液中排除体積 | 完全に液中に入った内部構造物の体積は、それより高い液位でも差し引く |
| 換算表の節点を作る | 液位と対応体積。移行部付近は密にする | 体積が減少しない。同じ液位の節点が重複したら調べる |
| 端点を含める | ゼロと定義した最高液位 | 形状から求めた全容量が図面と整合する |
| 補間を実装する | 承認された関数、または節点間の補間 | 他の場所で二重にリニアライズしない |
| 独立した方法で検証する | 適切な移送、計量、または認証された基準法 | 換算と基準の不確かさを含める |
補間誤差は節点間隔と曲率に依存します。曲率が変わる接続部、皿形鏡板、円錐底、直径変化の付近では節点を増やします。等間隔の20点の表でも、移行部では精度が不足する場合があります。

体積表に密度を隠し込まない
液位から体積への換算で得られるのは体積です。その体積を質量にするには、定義した状態での測定物密度が必要です。標準状態での在庫量には温度・圧力補正が必要な場合もあります。計算でも追跡記録でも、これらの手順を分けてください。混ぜると密度変化が液位故障に見え、正常な伝送器への信頼が失われます。
問合せに添える情報
有用な依頼には、タンクの全体配置図(GA)、内寸、鏡板形式、ノズル基準、必要な体積単位、傾斜、内部取付物、運転液位範囲、結果の用途がプロセス表示、在庫管理、商取引のどれかを含めます。商取引計量や法定計量の用途では、該当する承認済みの方法と機器が必要です。一般的な制御システムの計算だけで自動的に十分になるわけではありません。
実務上の質問
質問1. レーダー伝送器で体積を直接計算できますか。
多くのシステムはリニアライズ表を保存できますが、表の品質は形状と基準に左右されます。二重適用を避けるため、伝送器、PLC、在庫ソフトウェアのどこで計算するかを確認します。
質問2. 容量換算表には何点必要ですか。
補間誤差をプロジェクトの在庫量許容差未満にできる点数が必要です。計算で決め、一律の点数を使わないでください。
質問3. 傾いたタンクには新しい表が必要ですか。
必要な場合が多く、特に要求精度に比べて傾斜が大きい場合や、液位が鏡板・移行部を通る場合に重要です。傾いた基準に対して液位は一様ではないため、測定位置も影響します。
質問4. 低液位では総体積が合わず、満量では合うのはなぜですか。
底部形状、内部構造物の占有体積、ゼロオフセット、底部付近の補間を確認します。満量点だけが一致しても、曲線の残りは検証できません。
