ブログ
業界情報

高周波レーダー式レベル計:原理・利点・用途

2026-09-19

著者:Arvin 出典:METRAVON Instruments

高周波レーダー式レベル計とは

高周波レーダー式レベル計は、マイクロ波を対象表面へ送信し、反射信号から距離とレベルを求める非接触計器です。一般に26 GHzや80 GHzなどの周波数帯が使用され、液体タンク、反応槽、粉粒体サイロ、水位測定に適用されます。

測定原理は電磁波のため、真空でも使用でき、超音波より気相温度の影響を受けにくい特長があります。ただし、媒体の反射特性、結露、付着、ノズル、内部構造は測定品質に影響します。

周波数が測定に与える影響

周波数が高くなると、同じアンテナ径でもビームを細くしやすく、狭い容器や障害物の多い設備で有利です。80 GHzは小型ノズル、短いブラインドゾーン、高い距離分解能を必要とする用途で選ばれます。

26 GHzは標準的なタンクやサイロで豊富な実績があり、適切なアンテナを選べば多くの用途に対応します。周波数だけで優劣を決めず、プロセス条件と設置構造を合わせて評価します。

主な利点

非接触のため、腐食性液体、高温媒体、動く表面、粉粒体を機械的に拘束せず測定できます。可動部がなく、適切に設置すれば保守負担を抑えられます。細いビームは、壁面や内部構造物からの反射を避けるのに役立ちます。

デジタル信号処理により、エコーカーブ、信号強度、誤エコー履歴を確認できます。これらは、単なる表示値よりもトラブル診断に有用です。

適用条件と限界

低誘電率媒体では反射が弱く、最低レベル付近でタンク底面エコーが重なることがあります。厚い泡では、泡表面と液面のどちらを捉えるかが条件によって変わります。強い結露や付着はアンテナ面の信号損失を起こします。

粉じんの多いサイロでは、充填中の信号余裕を確認します。最大レンジの仕様だけでは、最悪運転条件の安定性を判断できません。

アンテナと材料

レンズ、ホーン、密閉型などのアンテナから、ビーム幅、耐付着性、取付寸法に合うものを選びます。アンテナ、シール、フランジの材質は、媒体、洗浄薬品、温度、圧力に適合させます。

高温用途では放熱延長部を使用し、電子部温度を許容範囲に保ちます。腐食性環境では接液部だけでなく、外気側の腐食とケーブルグランドも確認します。

設置方法

投入流、梯子、配管、攪拌機を避け、ビームが最低レベルまで自由に通る位置へ設置します。ノズルが長い場合は内部反射を評価し、アンテナ先端位置を適切にします。

最高レベルはブラインドゾーンから十分離します。サイロでは表面の傾斜を考慮し、代表点へ向けます。方向調整後はブラケットを確実に固定します。

設定と統合

空距離、レンジ、単位、ダンピング、異常時出力を設定します。4–20 mA/HARTでは電圧余裕と負荷を確認し、RS485/Modbus RTUでは極性、通信条件、終端、アドレスを統一します。

試運転では複数レベルで基準値と比較し、ローカル表示、PLC/DCS値、出力信号を照合します。エコーカーブと設定ファイルを保存します。

選定時の結論

高周波レーダーは狭い空間や複雑な容器で有力ですが、正しいアンテナ、材質、ノズル、設置位置が前提です。見積依頼には容器図、媒体、レンジ、温度、圧力、比誘電率、泡、蒸気、粉じん、防爆、通信要件を含めます。

選定後も、実運転中のエコー確認と受入試験を行います。設計、設置、設定、保守を一体で管理することで、長期的に信頼できるレベル測定が実現します。

関連製品

26 GHz · 80 GHz

関連製品カテゴリー

製品カテゴリーから、用途や現場条件に適した計測ソリューションをお探しいただけます。

すべての製品を見る
レベル測定レベルスイッチ産業用計量水位・流量データ収集

見積もりを依頼

測定物、測定範囲、プロセス条件、取付方法、出力信号、予定数量をお知らせください。適切な構成をご提案し、お見積もりします。