2線式・3線式・4線式伝送器:ループに正しく給電する
「この伝送器には何本の線が必要か」は配線の質問ですが、本質的には電源の質問です。伝送器は測定と通信の二つを行う必要があり、電力をどこから得るかによって線の数が決まります。これを誤ると、ループに給電できない、指示値が誤る、カードが焼損するといった問題につながります。
ループ給電の2線式伝送器
2線式伝送器は、ループ自体の電流だけで動作します。同じ2本の線がDC電源と4–20 mA信号の両方を運びます。独立した電源ケーブルはありません。伝送器は「ループ給電」機器であり、24 V DC電源を盤側またはマーシャリング側でループに直列に接続します。
これは圧力、温度、液位、流量など、大多数のプロセス伝送器で標準的な方式です。機器ごとに2本の線で済み、構成も本質的に簡単だからです。その代わり、厳しい電力収支の制約があります。指定された運転モードと故障モードで利用できる最小電流で、伝送器の電子回路全体を動作させ、信号電流も正しく維持しなければなりません。このため2線式機器では、大型表示器や加熱センサなどに使える内部電力が限られます。
| 項目 | 2線式 | 3線式 | 4線式 |
|---|---|---|---|
| 電源 | ループ給電設計では信号と同じ線対 | 独立電源と共通の基準電位 | 電源用と信号用の独立した線対 |
| 代表的な出力 | 4–20 mA | 設計に応じて電流または電圧 | 設計に応じて電流または電圧 |
| 電力収支 | ループ電圧と最小電流による制約 | 電源と共通導体による制約 | 独立電源の定格 |
| 絶縁 | 実際の仕様を確認 | 実際の仕様を確認 | 4本の線があっても保証されない |
| 接続時の確認 | ループ電源と対応する入力 | 出力形式、コモン、ソース/シンク動作 | 電源定格と能動/受動出力 |
3線式という中間的な方式
3線式伝送器は電源線2本と信号線1本を持ち、導体の1本を共通に使います。ループで供給できる以上の電力を必要としつつ、完全な4線式接続より線を1本減らしたい機器向けの方式です。3線式では通常、電源と同じコモンを基準とする電圧出力0–10 V、または4–20 mA出力を使用します。
3線式機器では、共有するコモンに注意が必要です。コモン線の電圧降下は、基準電位に対する電圧信号に直接影響します。電流出力の挙動は異なりますが、出力を維持できる電圧範囲やコモンモード限界を超えないことが条件です。実際の回路について、導体抵抗、入力形式、許容される基準電位差を確認してください。

独立電源を持つ4線式伝送器
4線式伝送器は自身の電源用に2本、出力信号用に別の2本の線を持ちます。電源は通常24 V DCまたは110/220 V ACで、電源と信号の間にガルバニック絶縁がある場合も、ない場合もあります。アンテナ加熱付きレーダー伝送器、分析計、流量演算器、大型現場表示器やリレー出力を備えた伝送器など、より大きな電力を必要とする機器で使います。
4線式設計では、独立した電源から必要な電力を確保できます。電源、信号、センサ、接地間の絶縁は別途確認すべき仕様で、導体の数からは判断できません。また、給電機能付き入力に接続する前に、電流出力が能動型か受動型かも確認してください。
ループの成立を左右する電圧降下の計算
ループ給電の電流回路では、電源電圧が伝送器の最小端子電圧、ケーブル往復抵抗、直列負荷、関連機器の電圧降下をまかなう必要があります。独立電源の電圧出力では、別の負荷計算を行います。電流ループの場合は次のとおりです。
電源電圧 ≥ 伝送器の最小電圧 + Imax × 総直列抵抗 + その他の指定された電圧降下。設計余裕も確保する。
20 mAで、伝送器の最小電圧を12 V、負荷を250オーム、ケーブル往復抵抗を150オームと仮定すると、必要電圧は12 + 5 + 3 = 20 Vで、24 V電源には4 Vの余裕が残ります。22 mAでは同じ抵抗負荷が8.8 Vを消費し、余裕は3.2 Vになります。この余裕を許容する前に、実際の最大電流、最小電源電圧、バリア、許容差を確認してください。

適切な方式の選び方
標準的な4–20 mA測定 → 必要電力と応答特性が用途に適合する場合は、2線式機器を検討する。
電源付きセンサや必要電力が比較的小さい機器 → 3線式。ただし共通コモンに起因する接地電位の誤差に注意する。
必要電力が大きい機器 → 指定された独立電源構成を使い、絶縁と出力形式を明示的に確認する。
安全ループや重要ループ → 電源信頼性、診断、最悪条件の電圧収支を含め、安全マニュアルと承認済み構成に従う。線の数だけでは適合性を証明できない。
技術者からの質問
Q1. 4線式伝送器をループ給電で動かせますか?
メーカーがループ給電動作の構成を明示的に用意している場合に限ります。独立電源型機器には定格どおりの電源が必要で、電流出力の線対だけでは電子回路に給電できません。
Q2. 12 Vより24 V DCが一般的なのはなぜですか?
伝送器の必要電圧、ケーブル抵抗、直列負荷に対して有用な余裕を得られることが多いためです。すべての機器と回路の定格範囲内で電源を選定してください。湿潤環境、危険場所、故障時など、あらゆる条件で接触時の安全性を保証する単一のDC電圧しきい値はありません。
Q3. 2線式伝送器を3線式カードに接続するとどうなりますか?
実際の端子と、入力がループ給電を行うのか電流測定だけなのかを確認してください。複数の構成に対応する入力もあります。承認された回路図を使用してください。導体数の表示だけでは互換性は決まりません。
Q4. 4線式伝送器には別のアイソレータが必要ですか?
絶縁仕様、出力形式、入力のコモンモード限界を確認してください。必要な絶縁をすでに備える機器も、備えない機器もあります。4本の線はガルバニック絶縁の証拠にはなりません。
