26 GHzレーダーレベル計は、液体や粉粒体の表面にマイクロ波を照射し、反射波から距離を求める非接触式の連続レベル計です。タンクの基準高さから測定距離を差し引くことでレベルを算出します。実績の多い方式ですが、周波数だけで性能は決まりません。アンテナ、ノズル、内部構造物、測定物の誘電率、粉じん、泡、結露を含めて選定する必要があります。
26 GHzレーダーの測定原理
アンテナから送信された信号は測定物表面で反射し、受信回路へ戻ります。機器は伝搬時間に相当する情報を解析し、基準点から表面までの空間距離を求めます。エコー追尾機能は、測定物の反射とノズル、はしご、攪拌機、コイル、壁面からの固定反射を区別します。
反射強度は誘電特性と表面状態に左右されます。低誘電率液体は反射が弱く、粉粒体は安息角によって反射方向が変わります。カタログ上の最大レンジをそのまま適用せず、実際の条件に余裕を持たせてください。
適用しやすい測定点
- 水、排水、薬液など、接液部を減らしたいタンク
- 粉じんと堆積角を考慮できる粉体・粒体サイロ
- 4–20 mA/HARTまたはRS-485 Modbus RTUで既設制御系へ接続する更新案件
- 温度、圧力、耐食材質、防爆認証を明確に指定できるプロセス容器
細いノズルや障害物の多い小型容器では、より狭いビームの方式も比較します。高い周波数が常に最適とは限りません。
選定前に確認するデータ
タンク高さ、形状、測定範囲、最大レベル、ノズル径と長さ、内部構造、投入位置を提示します。測定物については名称、状態、誘電率、温度、圧力、泡、蒸気、粉じん、付着性、撹拌、変化速度を整理します。接続規格、接液材質、電源、出力、防爆区分、保護等級も必要です。
粉粒体では粒径、かさ密度、安息角、投入中と排出中の表面形状が重要です。液体では波立ち、結露、アンテナが浸水する可能性を確認します。
設置位置とノズル
投入流の直上を避け、ビームがはしごや攪拌機を横切らない位置を選びます。長く細いノズルは近距離の不要反射を生じるため、アンテナ形状との適合を確認します。アンテナ先端の位置は機種の取扱説明書に従ってください。
配線は動力線から分離し、シールド、接地、防爆配線を設備基準に合わせます。設定時は基準点、空・満量、単位、出力スケール、エコー消失時の動作を確認します。
表示値が急変する主な原因
満量側への急変は、ノズル反射、アンテナ付着、近くの構造物を誤って追尾している場合があります。空側への急変は、測定物エコーの消失が疑われます。サイロでは投入時の表面角度、液体では泡、激しい波立ち、多重反射が原因になります。
ゲインをむやみに上げる前に、エコーカーブと実レベルを比較します。アンテナの汚れ、設置方向、障害物を確認した後、不要エコーマッピング、追尾範囲、ダンピングを調整し、変更内容を記録します。
4–20 mA/HARTとRS-485 Modbus RTU
4–20 mAはPLCやDCSのアナログ入力へ接続しやすい方式です。HARTは同じループ上で設定と診断情報を扱えます。RS-485 Modbus RTUは複数機器の値や状態をデジタルで取得できますが、バス配線、終端、アドレス、通信条件、レジスタマップの管理が必要です。
RS-485をクラウドへ直接接続することはできません。Modbusを読み取り、Ethernetやセルラー回線へ変換する産業用ゲートウェイまたはRTUが必要です。
試運転チェックリスト
- 基準高さと実測レンジを確認する。
- ビーム内に固定障害物がないことを確認する。
- 既知の2点以上で指示値を照合する。
- 空状態と通常運転時のエコーカーブを保存する。
- 電流出力、PLCスケール、診断、フェイル動作を試験する。
- 設定値を保全用の基準データとして保管する。
よくある質問
液体に接触する必要はありますか。
ありません。ただし、アンテナとシールはプロセス雰囲気や結露に適合している必要があります。
粉体も測定できますか。
可能です。粉じん、安息角、反射強度に合ったアンテナと設置位置を選びます。
粉じんがあると必ず測定不能になりますか。
必ずではありません。濃い粉じんやアンテナ付着は信号を弱めるため、実条件でレンジと保守方法を確認します。
26 GHzと80 GHzの違いは何ですか。
一般に80 GHzは小型アンテナで狭いビームを得やすい一方、最適な方式はレンジ、ノズル、測定物、付着、防爆、費用を含めて決めます。
まとめ
26 GHzレーダーは、アプリケーションデータに基づいて選定し、正しい設置とエコー確認を行えば安定した測定が可能です。周波数の名称だけで判断せず、アンテナから制御システムまでを一つの測定系として評価してください。
