ロードセルと力センサーは、必ずしも異なる種類の機器ではありません。多くのひずみゲージ式ロードセルは、計量と力の試験の両方に使われます。選定には、力の方向、作用時間、取付構成、結果が必要となる速さを指定してください。カタログ上の名称が異なっても検出原理が似ている場合があり、同じ名称でも互換性のない取付構造が必要な場合があります。

機械に必要な測定結果から考える
| 必要な測定結果 | 荷重条件 | 選定の判断材料 |
|---|---|---|
| 静止した容器内の材料の質量 | 材料の重量を、容器自体の重量や配管から加わる外力と区別する。 | センサーの名称よりも、支持構造の設計、ゼロの安定性、設置後の校正が重要。 |
| 試験治具内の引張力または圧縮力 | 予荷重や方向反転も含め、定めた軸に沿って力を加える。 | 取付部の形状と、使用する各方向での校正を確認する。 |
| 短時間の現象で生じるピーク力 | 機械的、電気的なフィルタ作用が過大にならない状態で現象を捉える。 | センサー、治具、データ収集系の応答データを入手する。 |
| 複数軸それぞれの力またはモーメント | 複合した一つの変形量として示すのではなく、個々の成分を分離して求める。 | 適切な測定構成がなければ、単軸センサーでは不十分。 |
取付部で管理できないモーメントが生じるなら、力センサーという名称の機器を選んでも意味がありません。同様に、測定範囲がキログラムで記載されているという理由だけで、計量用センサーを候補から外すべきではありません。まず、定格荷重と力の関係、組立品全体の校正方法を明確にします。
ロードセルと力センサー:実際の二つの荷重経路を比較する
製品資料によると、METRAVON MV-LC0190 は、定格荷重 1、5、20、50 kg の引張・圧縮用として掲載されています。取付部、予荷重、環境条件が資料の要件に適合すれば、小さな軸力を扱う治具の候補になります。ケーブルの引張り力や治具の重量は、測定したい力に対して無視できない場合があるため、十分に確認してください。
一方、MV-LC0030 は、公表範囲が 10-500 t の圧縮コラム型です。荷重は、所定の圧縮荷重導入面を通して加える必要があります。機械構造も定格荷重の区分も異なり、同じ引張治具を大型化したものではありません。圧縮専用の構成で表示の符号を変えても、引張力を測る要件は満たせません。
これらの例は、計量と力の試験を一律に区別する基準ではありません。候補一覧に、実際のモデル、定格荷重、荷重の加え方を明記する必要性を示しています。より広く解説した選定ガイドでは、候補一覧の作成に必要な荷重情報と設置情報を説明しています。
静的性能だけでは動的性能は確認できない
荷重が安定してから再現性のある指示値を出せるセンサーでも、短いピークを捉えられるとは限りません。設置した治具には質量と剛性があり、振動する可能性があります。信号が記録ソフトウェアに届く前に、増幅器やデジタルフィルタによって信号が変化します。前段で失われたピークは、サンプリングを速くしても復元できません。
プレス、衝撃試験、繰返し動作する機械では、想定される力の時間変化、現象の継続時間、繰返し頻度、必要な測定量を提示します。必要なのがピーク、平均、波形、制御用フィードバックのどれかを明記してください。適用できる帯域幅や応答の情報と、許容される荷重条件を確認します。データがなければ、高いサンプリングレートという説明や力センサーという名称だけで、動的測定に適すると判断してはいけません。
ここで参照した MV-LC0190 と MV-LC0030 の資料だけでは、動的測定系全体の帯域幅は確認できません。そのため、動的用途では、モデル固有の追加資料と、設置した測定系の試験が必要です。これらのデータだけで、衝撃ピークを正確に捉えられると約束する根拠はありません。

測定の意味を変えずに信号と校正を指定する
ここで扱う二つのモデルは、どちらも微小な mV/V ブリッジ信号を出力します。対応する計器がブリッジに励起電源を供給し、出力を読み取り、必要な単位に換算する必要があります。4-20 mA や制御装置とのデジタル接続は、センサー単体の機能と決めつけず、計器への要件として指定してください。計器の選定時には、信号経路のガイドを参照してください。
双方向の治具では、引張りと圧縮の符号を定め、適切な基準荷重で両方向を試験します。継手の隙間によって、ゼロ付近の挙動が変わる場合があります。引張り方向だけの校正では、圧縮方向の応答や、治具を介した機械的な方向反転の妥当性は確認できません。
質量相当値で示した定格荷重と、ニュートンで報告する測定結果の間にも、明確な換算根拠が必要です。力の単位、基準の方法、校正条件を試験記録に残してください。計量設備では、取り外した状態のセンサーの証明書だけに頼らず、組み立てたはかりを検証します。
問い合わせに含める情報
センサーの設置スペースだけでなく、力の入力点と反力点の両方を示す図面を送ってください。最小・最大の力、治具の予荷重、許容変位、方向の変化、必要な応答時間を含めます。繰返し荷重では、単に連続運転と説明するのではなく、運転サイクルを提示してください。
利用できる増幅器とそのブリッジ入力、機械が必要とする最終出力、予定する校正方法も明記します。お問い合わせページから情報をお送りいただくことで、METRAVON は資料のあるモデルについて適合性を検討できます。公表データの範囲外の要件は、裏付け情報が得られるまで未解決の技術課題として扱ってください。
センサーの種類を選ぶ際の質問
Q1. リンク機構を使えば、圧縮センサーで工程の引張力を測れますか?
機構で力の方向を変えることはできますが、測定結果はセンサーだけでなく、リンクの形状、摩擦、軸合わせにも依存します。機構全体について、使用する各位置で校正と評価を行ってください。図面から計算したてこ比を、設置後の精度の証明と見なしてはいけません。
Q2. 双方向の定格があれば、疲労寿命は無限ですか?
いいえ。対応できる力の方向と、繰返し荷重に対する耐久性は別の仕様です。繰返し荷重の用途では、荷重振幅、予荷重、サイクルの情報を、モデル固有の根拠資料と照合して評価する必要があります。安全過負荷の数値や引張・圧縮という表示だけでは、その根拠にはなりません。
Q3. 一つの軸力センサーでトルクを示せますか?
センサーが示すのは、所定の測定軸に沿った力です。有効な腕の長さと力の方向が分かるように設計したてこ機構なら、トルクを求められる場合があります。ただし、軸受の摩擦や形状も測定に影響します。トルクの直接測定を、裏付けのない軸力センサーの機能として提示してはいけません。
Q4. 力センサーを機械の保護インターロックに使えますか?
測定機能があるだけでは、安全機能を備えているとは言えません。保護システム全体について、適切なリスク評価、システム構成、構成部品の適合性を示す資料が必要です。センサーの機械的強度から安全等級を推定したり、一般の測定仕様を安全認証として扱ったりしてはいけません。
まとめ
センサーに実際に伝わる力、捉える必要のある時間的な挙動、実施できる校正に基づいて選定してください。カタログの名称は候補探しに役立ちますが、必要な測定量を測れるかどうかを決めるのは、取付図と、資料で裏付けられた性能です。
