ロードセルの選定条件には、センサーが受ける荷重と、操作員が測定する必要のある最小の変化量の両方を明記する必要があります。機械に対して十分な定格荷重があっても、取付部が曲げを生じさせる、使用荷重での信号が小さすぎる、ケーブルが保護された増幅器まで届かないといった理由で不適合になる場合があります。まず図面と荷重一覧を用意してください。カタログの定格荷重だけでは選定を確定できません。

機械で何を測定するのかを明記する
総荷重、実際に使う測定範囲、許容誤差を区別します。総荷重には、治具、容器、付属品、材料など、センサーが支えるすべてのものが含まれます。既に荷重がかかった容器への材料追加量を測る場合など、実際に使う範囲は大幅に小さいことがあります。表示の風袋引きで消えるのは指示値であり、検出素子にかかる力ではありません。
生産に影響する最小の追加量や力の変化量を示し、いつ測定するのかを指定します。充填サイクル後の安定した指示値と、材料が落下中の供給停止信号では、要件が異なります。後者では応答時間、振動、弁が閉じた後も移動中の材料も関係します。
新設機械では、これらの入力情報の不確かさを明示します。治具の推定重量は発注前に確認できます。衝撃のピークが不明であれば、試行や機械構造の再設計が必要になる場合があります。定格荷重に任意の倍率を掛けても、どちらの問題も解決しません。
荷重経路から構造の候補を絞る
| 設置構成 | 検討する METRAVON の候補 | 適合を確認すべき事項 |
|---|---|---|
| 小さな力を扱う軸方向の試験治具 | MV-LC0190 引張圧縮ロードセル | 同軸アタッチメント、治具のプリロード、クリアランス、および必要な力の方向。 |
| 大荷重の圧縮支持部 | MV-LC0030 圧縮コラムロードセル | 荷重を加える面、取付高さ、定格荷重別の寸法、横方向の拘束。 |
| 組立品が必要なタンクまたはホッパーの支持部 | MV-WM0006 ベローズ計量モジュール | 支持反力、プレート配置、配管の高さ、保守用アクセス。 |
これらは異なる機械構造であり、相互に置き換えられる精度等級ではありません。コラム型センサーには、所定の受圧面を介して圧縮力を加える必要があります。軸方向の治具では、偏心した取付部が曲げを加えないようにします。計量モジュールには取付構造が加わりますが、その図面が容器と拘束装置の設計に適合するかを確認する必要があります。支持部の詳細な計算については、タンク用計量モジュールの選定ガイド を参照してください。
最大支持荷重と最小の有効信号を併せて確認する
複数の支持部を持つ構造では、総重量をセンサー数で割った値は平均にすぎません。重心の偏り、基礎の不均一、材料分布の変化によって、最も荷重の大きい支持部にはさらに大きな荷重がかかる場合があります。空、満載、合理的に想定できる過渡状態について、各支持部を確認してください。風、浮上り力、水平力にも構造的な拘束設計が必要です。鉛直方向のセンサーの定格荷重を増やすだけでは解決しません。
次に、候補の定格荷重が信号の大きさにどう影響するかを確認します。感度 2 mV/V、励起電圧 10 V、定格荷重 20 t の単一セル構成を例にすると、100 kg の荷重増分に対応する公称信号変化は 0.1 mV です。同じ感度と励起電圧で定格荷重 50 t のセルを使うと、同じ増分の信号は 0.04 mV になります。これは比例計算であり、精度や雑音の仕様ではありません。不必要に大きな定格荷重が、電子回路への要求を厳しくする理由を示しています。
増幅器は、実際のケーブル、温度、電気雑音の条件で必要な変化量を識別し、ゼロオフセットと過負荷表示のための入力余裕を確保する必要があります。表示桁数だけで測定系を承認してはいけません。ロードセルと PLC の接続ガイド では、生のブリッジ入力と、信号調整後の 4-20 mA またはデジタル信号との違いを説明します。

正確な仕様の特定が必要なロードセルの選定条件
| パラメータ | シリーズ名だけでは不十分な理由 | 取得する情報 |
|---|---|---|
| 定格荷重と感度 | MV-LC0190 の 1 kg 仕様は、それより大きな定格荷重の仕様と公称感度が異なります。 | 発注する定格荷重、そのセンサーの定格出力、校正データ。 |
| 取付寸法 | MV-LC0030 では、定格荷重の範囲に応じて複数の寸法グループが使われています。 | 荷重を加える部分と支持部分の接続面を示す寸法入り図面。 |
| 励起電圧と抵抗 | ブリッジを並列接続すると、計器の励起電源の負荷が増えます。 | 許容励起電圧、入力抵抗、接続するセルの数。 |
| 環境 | センサー筐体、ケーブル接続部、電子回路では、耐えられる環境条件が異なる場合があります。 | 設置場所の温度、洗浄方法、薬品、端末接続部の保護。 |
| 校正のためのアクセス | 機械的に適合するセンサーでも、機械の組立後にはアクセスできなくなる場合があります。 | 基準荷重の加え方と、センサーの交換方法。 |
例えば、MV-LC0190 では、4 線式で長さ 0.2 m の標準ケーブルが示されています。これは、治具図面の承認前に決める増幅器の配置に影響します。モデル名だけを根拠に、長いケーブル、コネクター、異なる出力が含まれると考えてはいけません。提示される構成と、それに伴う校正要件を確認してください。
部品番号だけではなく、試験で選定を承認する
生産で使用する荷重と位置で、設置後の確認方法を定めます。ゼロ、荷重増加時と減少時の値、繰返し指示値、制御装置が受信する値を記録してください。容器に複数の支持部がある場合、機器が対応していれば各チャンネルを観測します。表示を合わせるために校正調整を行う前に、機械的な拘束や引っ掛かりを解消する必要があります。
荷重一覧、取付図、測定する最小増分、利用可能な計器、使用環境を、お問い合わせページ から METRAVON に送ってください。必要な検収結果はセンサー仕様と区別して明記します。これにより、センサー単体を完成した計量システムと見なすことなく、セル、取付部品、電子回路を見積もりで特定できます。
設計レビュー中に生じる質問
Q1. 小さな定格荷重のセンサーを機械式ストッパーで保護できますか?
ストッパーで変位を制限できるのは、その隙間と荷重経路が組立品に対して適切に設計されている場合に限られます。測定中は接触せず、許容できない荷重でセンサーが損傷する前に作動する必要があります。ストッパーがあるからといって、衝撃や横力を無視してよいわけではありません。センサーの変位データを入手し、想定荷重条件でストッパーの構成を検証してください。
Q2. 複数の機械で一つの定格荷重に統一できますか?
各機械が最大荷重と最小信号の両方の確認を満たす場合は可能です。統一により予備品管理を簡素化できますが、最も大きな荷重を扱う機械に合わせたセンサーでは、小さな機械で十分な有効信号が得られない場合があります。同じ部品番号で購入する場合でも、校正と取付けの記録は機械ごとに残してください。
Q3. すべての支持部で同じケーブル長が必要ですか?
一律の長さの規則を設けず、選定した計器と接続箱の説明書に従ってください。ケーブル抵抗、信号の均等化調整、センス線の接続が測定に影響します。指定されたケーブル構成を保ち、延長箇所を記録し、完成したシステムを試験してください。見た目をそろえるためだけにケーブルを短くしてはいけません。
まとめ
最も大きな支持荷重、最小の有効信号、物理的な取付条件をすべて確認してから、センサーの発注を承認します。選定した定格荷重を、対応する図面と電気データに結び付けて管理してください。製作中にこれらの条件が変わった場合は、元の校正を利用する前に選定を再検討します。
