S形ロードセルは、2つの取付部の間の直線的な力の経路に配置します。ねじの軸がずれている、ロッドエンドが固着している、アダプターが正しく着座する前に底付きしている場合、負荷時にセンサーが曲げられることがあります。その結果、ゼロ点のふらつき、再組立て後の指示値変化、早期損傷が生じる可能性があります。本ガイドでは、用途が似ていることを治具の互換性の根拠とせず、METRAVON MV-LC0186と小容量のMV-LC0190の取付け・交換確認に焦点を当てます。

S形ロードセルのねじ:容量が変わると接続も変わる
MV-LC0186には20 kgから10 tまでの個別定格があります。範囲内でねじ仕様が変わるため、容量を上げると新しい継手や異なる設置高さが必要になる場合があります。正確なねじピッチ、有効ねじ込み長さ、肩部の隙間、緩み止め構成を選定図面と照合してください。公称ねじ径だけではアダプターの仕様として不十分です。
| MV-LC0186の定格区分 | 参考取付寸法と交換時の確認事項 |
|---|---|
| 20-150 kg | M8接続が示されています。取付金具の長さと小型本体周囲の隙間を確認してください。 |
| 200-1000 kg | これらの区分はM12接続です。200-500 kgと700-1000 kgの図面では本体厚さが異なります。 |
| 1.2-5 t | M20接続が示されています。ねじアダプターを追加するだけで小さい継手を流用しないでください。 |
| 7.5 / 10 t | それぞれM24 / M32 x 2です。継手全体の定格、本体外形、設置長さを確認してください。 |
上記区分は図面系列を示すもので、すべての中間容量を連続的に選べるという意味ではありません。見積書には選定した定格荷重と組合せ金具を明示します。継手の強度、摩耗余裕、緩みに対する抵抗は用途に適合する必要があります。ロードセルの定格は吊り下げ機構の残りの部分を認証するものではありません。
継手で芯合わせし、組立体のねじれを防ぐ
適切に選定したロッドエンドやクレビスは、軸受が許容する動きに追従できますが、すべての横力をなくすわけではありません。機械ストローク端での位置も含め、負荷時の実際の角度と可動性を確認してください。作業台では自由に回る継手でも、ガード、スペーサー、隣接フレームが動きを制限すると拘束される場合があります。
締付け時は、センサーと金具に承認された保持方法・緩み止め方法を使用します。組立トルクを検出部で受けたり、ケーブルを拘束具として使用したりしないでください。締付けトルクはねじ、締結具、ねじ込み長さ、継手設計で変わるため、ここでは一律の値を示していません。保守交換で再現できるよう、指定方法を治具図面とともに記録してください。
吊り下げ計量では、上下移動だけでなく揺れと回転も確認します。脱落防止機構は通常測定時に重量の一部を受けてはいけません。吊り下げ組立体の設置・保守には、定格が適切な独立支持が必要です。指示値が出ていることは、荷を固定したことの代わりにはなりません。
小型試験治具では信号の余裕も異なる
MV-LC0190 には1、5、20、50 kgの選択肢があります。参考図面では取付ねじはM6で、標準ケーブルはわずか0.2 mです。増幅器位置とケーブル固定を早期に計画してください。小さな力の測定では、硬い延長ケーブルや動くコネクターの影響が大きくなることがあります。
1 kg仕様の公称感度は0.5 mV/V、5、20、50 kg仕様は1.0 mV/Vです。5 V励起時の計算上のフルスケール信号変化は、それぞれ2.5 mVと5 mVです。MV-LC0186は公称2.0 mV/Vで、同じ励起電圧で10 mVになります。これらは信号範囲の計算であり、実測した校正結果ではありません。納入センサーの実際の感度とゼロ点は別途確認する必要があります。

既存の増幅器を流用する前に、励起電圧、差動入力範囲、対象となる最小力での有効分解能を比較します。MV-LC0186には4-12 VDC励起と385 +/-10 ohmの入力抵抗が記載されています。MV-LC0190は同じ励起範囲ですが入力抵抗は350 +/-5 ohmです。励起範囲の一致だけで測定系の残りの適合性は確認できません。
力が反転する場合は治具を試験する
引張り専用なら設置済み組立体を引張りで試験します。圧縮や反転が必要なら、その正確な型式について両方向の許容負荷と校正を確認してください。シリーズ名だけでは圧縮用リンクの適格性を判断できません。また、引張用継手は力の反転で不安定になったり、遊びが生じたりする場合があります。
増荷・減荷の両方向から同じ基準力に近づけます。除荷後のゼロ点を記録し、承認済みの治具再組立て手順の後にも繰り返してください。再組立て後の変化は、1回のスパン校正では見逃す取付部や着座の問題を示唆します。PLCや試験プログラムが圧縮を引張りと解釈しないよう、正方向の規則も記録します。
繰返し運転では最大荷重以外の情報も必要です。力の範囲、反転頻度、予想サイクル数、衝撃事象を指定してください。過負荷値も静的校正報告書も、疲労耐久性の証明にはなりません。 力反転用途の選定ガイド では、試験システム全体の要件を扱っています。
取付けに関する質問
質問1. ねじが一致すれば古いロッドエンドを再使用できますか。
まず荷重定格、摩耗、ねじ込み長さ、許容角度を点検します。組立長さも元の治具と照合してください。ねじが一致しても、金具の強度不足、軸受損傷、肩部位置の違いが隠れている場合があります。再使用は、これらの確認で妥当と判断できる場合に限ります。
質問2. ケーブルを動かすと指示値が変わるのはなぜですか。
特に小容量治具では、ケーブルが小さな機械力を加えている可能性があります。許容される動きに十分な余裕を持たせて固定構造に留め、試験を繰り返してください。それでも動きに伴って急激な電気的変化が起きるなら、ケーブルと端末接続部を点検します。繰り返しゼロ調整して症状を打ち消さないでください。
質問3. S形センサーだけで安全な吊上げ装置になりますか。
いいえ。測定定格は、フック、継手、保持具、吊上げ装置全体を承認するものではありません。センサーが吊り荷の荷重経路の一部になる場合、有資格者が組立体全体と適用要件を評価する必要があります。その用途に指定する前に関連文書を求めてください。
質問4. 過負荷率は衝撃や詰まり解除時にも適用できますか。
それらの事象を十分に表すものではありません。MV-LC0186にはフルスケールの150%、MV-LC0190には120%の安全過負荷が記載されていますが、どちらの値も許容衝撃エネルギー、横荷重、サイクル数を示しません。機構が発生させるピーク力と方向を特定し、その事象に対する保護を検討してください。過負荷率を追加の使用容量として扱わないでください。
まとめ
S形の設置では、センサー発注前に取付部を指定します。定格力、方向、継手図面、動き、増幅器の詳細をMETRAVONの お問合せページからお送りください。これらの情報に基づく見積りは、容量だけの提案より役立ちます。特に交換でねじや信号レベルが変わる場合に重要です。
