ベルトスケール用ロードセルの選定は、コンベヤの毎時トン数ではなく、計量台が受ける力から始めます。はかりはベルト上の荷重と速度を組み合わせて流量を計算します。ロードセルが適切でも、ベルトからの力で測定荷重が変わったり、速度信号が実際のベルト移動を表していなかったりすると、積算量は誤ります。
処理量を計量区間の荷重に換算する
定常流では、材料の単位長さ当たりの荷重kg/mは、質量流量kg/sをベルト速度m/sで割った値です。有効計量長に対応する材料質量は、その荷重に有効長を掛けて求めます。その後、計量台の幾何学的構成によって各センサーへの荷重伝達が決まります。
説明用の例として、50 t/hは約13.89 kg/sです。速度1 m/sでは13.89 kg/mとなり、有効計量長を1.2 mと仮定すると材料分は約16.67 kgです。これが必要なロードセル定格ではありません。支持される自重を加え、実際のはかり図面から、てこ比、ベルト力、不均等反力、運転時の過渡荷重を評価します。
任意のコンベヤ長やロードセルの物理的長さではなく、はかりメーカーが定める有効計量長を使います。可変速運転では運転範囲全体を計算します。同じ処理量でもベルト速度が遅いほど、単位長さ当たりの材料量が増えます。

MV-LC0065の仕様を使ったベルトスケール用ロードセルの選定
製品資料では、MV-LC0065の用途にベルトスケールが含まれます。金属ベローズで密封した平行梁構造です。検討対象になる製品ですが、すべてのコンベヤスケールの汎用交換品ではありません。
| 項目 | 公表値 | 選定時の確認 |
|---|---|---|
| 定格範囲 | 10-500 kg | 最大センサー反力と、利用できる最小材料荷重信号から、具体的な定格荷重を選びます。 |
| 定格出力 | 2.0 ±0.01 mV/V | 積算計のブリッジ入力範囲を確認し、納入センサーの校正データを使います。 |
| 励起電圧 | 10-12 VDC | どのブリッジ電源でもよいと考えず、指定励起電圧に対して提案する電子機器を検証します。 |
| 入力抵抗 | 400 ±20 ohm | 励起電源の負荷を確認するときは、接続するロードセル数を含めます。 |
センサーのカタログ誤差は、ベルトスケールの積算誤差ではありません。積算誤差には計量台、ベルト、速度測定、積算計、校正も影響します。ロードセル仕様を転記してコンベヤの精度やターンダウン比を宣伝してはいけません。
ロードセルの故障と判断する前に計量台を点検する
計量アイドラと隣接するベルト支持部の配置を、はかりの据付指示と照合します。ローラーの摩耗、トラフ形状の不一致、付着物、計量台の動きを妨げる接触によって、センサーに伝わる力が変わる場合があります。ベルト位置や積載量で変わる機械的な問題を、電気的な調整で隠してはいけません。
指定の試験条件でベルトを完全に周回させ、その周回全体にわたる空ベルト時の挙動を比較します。継ぎ目ごとに繰り返す外乱と、ランダムな電気ノイズは別のものです。保守後も同じ挙動を確認できるよう、ベルト状態と速度を波形と一緒に記録します。
据付距離と位置合わせの許容差は、選定したはかりの設計に対応する値を使います。他社の説明書の数値が、異なる計量区間にも適用できるとは限りません。コンベヤ付近の点検では、現場のガード・隔離手順に従い、動いている計量機構に手を入れないでください。
速度と積算量を別々の測定として検証する
速度をどこで検出し、滑りによって信号とベルト移動がずれる可能性があるかを特定します。パルス換算、単位、移動方向の扱い、速度ゼロでの挙動を確認してください。モーターへの指令は、ベルトの移動量を測った値とは限りません。
荷重一定の理想化した計算では、他の入力がすべて正しければ、速度が2%高く測られると計算流量も2%高くなります。これは速度誤差への感度を説明する例であり、受入限界ではありません。荷重校正を変えて補償しても、速度誤差そのものは残ります。
荷重と速度の値が積算計へどう届き、時刻関係とフィルターをどう扱うかを確認します。既存ロードセルを交換する場合は、比較用に従来設定を残し、変更した測定チェーンを再校正します。ロードセル校正ガイドで基準と記録の一般的な要件を説明しています。
実材料試験でコンベヤの計量結果を評価する
静的な試験荷重では、力の測定経路の一部を確認できます。代表的な実材料試験には、ベルト移動、速度測定、計量区間への材料の載り方も含まれます。基準計量とはかりの間で未測定の損失や追加が起きない、安全な基準計量・移送方法を選んでください。
試験前に流量範囲、ベルト速度、基準の不確かさ、受入基準を合意します。繰返し性と一定の偏りを区別できるだけ試験を繰り返します。再現性がなければ、校正係数を変える前に機械構成と運転条件を調べてください。
コンベヤ計量に関する質問
Q1. 大きな定格荷重のロードセルにすれば、ほかに影響なく耐過負荷性を高められますか?
定格余裕が増える場合はありますが、同じ材料荷重が使う定格出力の割合は小さくなります。定格を大きくする前に、最小流量での有効信号と積算計の入力性能を確認します。構造的な過負荷保護は別の課題です。
Q2. 同じ公称定格荷重のロードセルをMV-LC0065に置き換えられますか?
定格荷重だけでは判断できません。固定端、荷重端、寸法、荷重接触部、ケーブル要件、電気感度を既存の計量台と比較します。物理的に収まっても、形状や剛性が変わると、はかりの応答が変わる場合があります。
Q3. 交換の問合せには何を記載しますか?
元のロードセルの識別情報、計量台図面、センサー数、ベルト速度範囲、最小・最大処理量、積算計モデル、最近のゼロまたは実材料試験の結果を用意し、METRAVONのお問い合わせページから送ってください。交換品の見積り前に適合性を確認できます。
まとめ
実際の計量区間からセンサー反力を計算し、利用する最小信号を確認します。速度検証と実材料試験を受入計画に含めてください。ロードセル交換では、不適切な計量台、不安定なベルト挙動、換算設定の誤った速度入力は直りません。
