著者:Arvin 出典:METRAVON Instruments
三つの測定方式
超音波式は気体中を伝わる音波、レーダー式は電磁波、差圧式は液柱による圧力差を利用します。どの方式もレベルを連続測定できますが、プロセス条件への依存性、設置方法、接液の有無、保守内容が異なります。
方式選定では、測定レンジや精度だけでなく、温度、圧力、真空、蒸気、泡、粉じん、比誘電率、密度変化、容器形状を確認します。最良の方式は用途ごとに異なり、万能なセンサーはありません。
超音波式が適する条件
常圧に近く、気相が安定し、泡や蒸気が少ない水槽や開水路では、超音波式がシンプルで扱いやすい選択肢です。非接触で、腐食性液体にもセンサー材質を適合させれば使用できます。
一方、真空では使用できず、大きな温度勾配、強い気流、厚い泡、粉じんで信号が弱くなります。ビーム内の障害物や長いノズルも誤エコーの原因です。
レーダー式が適する条件
レーダー式は電磁波を使用するため、真空や気相温度の影響を受けにくく、蒸気や粉じんのあるタンク、密閉容器、サイロで有利です。80 GHzの細いビームは、狭い容器や内部構造物が多い設備で設置自由度を高めます。
ただし、低誘電率媒体、強い結露、アンテナ付着、ノズル反射には注意が必要です。周波数だけでなく、アンテナ、取付位置、材料適合性を含めて選定します。
差圧式が適する条件
差圧式は密閉・加圧タンクで広く使われ、既存設備との互換性や高温対応で有利な場合があります。ボトム側と気相側の圧力差から液柱を求めるため、レーダーや超音波とは異なり媒体に接する導圧系が必要です。
密度が変化するとレベル換算に誤差が生じます。導圧管の詰まり、封液の温度変化、結露、ゼロ点移動も管理対象です。タンク形状より密度安定性と配管設計が重要になります。
泡、蒸気、粉じんへの対応
厚い泡では、超音波が泡表面で吸収され、レーダーも泡の性状によって液面または泡面を捉えます。何を測定したいかを先に定義し、実績または試験で確認します。蒸気が多い場合、一般にレーダーが有利ですが、結露対策は必要です。
粉じんの多いサイロでは、投入中の信号余裕を評価します。静止時だけの試験では不十分です。差圧式は粉粒体の非接触測定には通常適しません。
設置と保守の違い
超音波とレーダーは上部から設置でき、接液部を減らせます。ビーム経路とノズル形状が重要です。差圧式は下部取出口、導圧管、マニホールド、封液などの設計と定期点検が必要です。
保守性は現場のアクセス条件にも左右されます。アンテナやセンサーの清掃、導圧管のフラッシング、校正手順、停止時間を比較し、ライフサイクルコストで判断します。
選定手順
最初に測定目的、許容誤差、応答時間、安全機能を定義します。次に媒体、温度、圧力、密度、比誘電率、泡、蒸気、粉じん、容器形状を整理し、各方式の不適合条件を除外します。
残った候補について設置スペース、配線、通信、防爆、保守性、予備品を比較します。条件が境界領域にある場合は、同様の実績や現場試験を使い、合否基準を事前に決めます。
実務上の結論
常圧の水処理設備では超音波、厳しい蒸気・真空・粉じん条件ではレーダー、密閉加圧タンクで密度が安定する場合は差圧が候補になります。ただし、これは出発点であり、最終決定は個別条件で行います。
受入時には、ローカル表示、PLC/DCS値、異常時出力、警報を確認し、設定と基準値を保存します。方式選定と正しい設置の両方が、長期的な測定信頼性を決めます。
