著者:Arvin 出典:METRAVON Instruments
超音波式レベル計の基本
超音波式レベル計は、センサーから音波を送信し、対象表面で反射して戻るまでの時間から距離を求めます。非接触で測定できるため、水処理槽、薬液槽、開水路などで広く使われます。一方、音波はセンサーと表面の間にある気体中を伝わるため、その状態に大きく影響されます。
真空中では音波が伝わらず、強い蒸気、温度勾配、泡、粉じん、気流でもエコーが弱くなることがあります。適用可否は距離だけでなく、媒体、気相、容器形状、設置位置を含めて判断します。
測定レンジの選び方
実際の最大距離に対して余裕のあるレンジを選びます。粉粒体、吸音性の高い材料、泡のある液体、蒸気の多い槽では、定格レンジよりも有効レンジが短くなる場合があります。カタログ値は理想条件の上限であり、現場条件を反映した保証値ではありません。
最高レベルはブラインドゾーンに入れないようにします。最低レベル側でも、底面や傾斜面から安定した反射が得られるか確認します。開水路では波立ちと流量変動を考慮し、安全余裕を設定します。
媒体と周囲条件
液面の泡は音波を吸収または散乱し、誤差やエコー消失を起こします。粉じんは送受信経路を弱め、結露はセンサー面に水膜を作ります。温度補償は周囲温度の影響を低減しますが、槽内に大きな温度勾配がある場合は完全には補正できません。
腐食性雰囲気ではセンサー材質とシール材を確認します。屋外では直射日光、降雨、凍結、落雷、ケーブルからの浸水も評価します。保護等級は正しいケーブルグランドとカバー締結があって初めて維持されます。
設置位置とビーム
投入流の直下、攪拌機、梯子、配管、補強材の近くは避けます。ビームは距離とともに広がるため、最低レベルでのビーム径を計算し、壁面や障害物が入らないことを確認します。センサー面は測定対象表面に対してできるだけ垂直にします。
ドーム形や円すい形の容器では、中心に設置すればよいとは限りません。反射が一点に集中したり、斜面へ逃げたりするため、代表的な表面と障害物の位置を見て取付点を決めます。
ノズルと機械取付
センサー面を細く長いノズルの奥に入れると、ノズル内反射や残響が発生します。ノズル径と長さはメーカーの推奨範囲に合わせ、内面の溶接突起を除去します。延長管を使う場合も、許容寸法と端部形状を確認してください。
取付ブラケットは振動や風で動かない剛性を持たせます。ケーブル入口は下向きにし、ドリップループを設けて水の侵入を防ぎます。金属タンクや屋外設備では接地とサージ保護を設備基準に合わせます。
初期設定と受入試験
空距離、レンジ、単位、ダンピング、異常時出力を設定します。複数の実レベルで表示値を基準測定と比較し、4–20 mAまたはデジタル通信値が一致することを確認します。別の槽の設定をそのままコピーせず、槽ごとの形状を反映します。
受入試験では、低レベル、高レベル、ポンプ運転、投入中など実際の運転状態を確認します。警報の動作、信号喪失時の出力、PLC側のスケーリングも記録します。
不安定な測定の診断
一定の誤値を示す場合は、障害物やノズルからの固定エコーを疑います。投入時だけ信号が失われる場合は、泡、粉じん、投入流の影響を確認します。時間とともに悪化する場合は、センサー面の付着や結露を点検します。
最初に清掃と設置状態を確認し、その後でエコーしきい値やフィルタを調整します。過度なダンピングは、実際のレベル変化を見えにくくし、制御や警報を遅らせるため注意が必要です。
保守と再評価
点検周期は、設備の重要度、付着速度、屋外環境、過去の警報履歴に基づいて決めます。センサー面、取付部、ケーブルグランド、接地、表示、エコー品質を確認し、初期状態との差を記録します。
媒体、温度、泡の量、投入方法、容器内部が変更された場合は、測定条件を再評価します。超音波で十分な信号余裕が得られない場合は、レーダーなど別方式への変更も検討してください。
