磁気式レベルゲージとタンク外付け超音波センサーは、目的と成立条件が異なります。磁気式は側管内のフロート位置を磁気結合で外部表示し、現場で直読できます。外付け超音波式はタンク壁と液体を通して音波を伝え、条件が合えばプロセスへ開口を追加せずに測定できます。
「接触式か非接触式か」だけで選ばず、タンク構造、液体の密度と粘度、泡、気泡、温度、圧力、壁材と厚さ、保守性、誤測定時の影響を比較します。どちらか一方がすべての用途で優れるわけではありません。
技術比較
| 条件 | 磁気式レベルゲージ | 外付け超音波式 |
|---|---|---|
| 無電源の現場表示 | フロート位置を機械表示できる | 電源と演算・表示部が必要 |
| 新しいプロセス接続を作れない | 通常は側管用の上下接続が必要 | 音響試験後に外壁へ設置可能 |
| 高粘度・結晶化・汚れ | フロートや側管が固着する可能性 | 壁と液体を通る音響経路に依存 |
| 泡・気泡・懸濁固形物 | 音響的な影響は比較的小さい | 信号の減衰・散乱が起こりやすい |
| 界面測定 | 密度とフロート設計が合えば可能 | 対象液と界面ごとの確認が必要 |
磁気式レベルゲージの原理
側管をタンクの上下へ接続すると、連通により側管内の液位がタンク液位に追従します。フロート内の磁石が外部の二色フラップや指針を動かします。リードスイッチや位置変換器を追加すれば、警報や連続信号を制御システムへ送れます。
フロートは最低密度、温度、圧力に合わせて選定します。側管、フロート、ガスケットの材質適合も必要です。遮断弁、ドレン、ベント、フロートを取り出す保守空間を設けます。結晶化液、高粘度液、固形物を含む液では閉塞に注意します。
外付け超音波式の原理
タンク外壁の整えた位置へ、適切な音響カプラを介してトランスデューサを固定します。パルスは壁と液体を通過し、液面で反射して戻ります。演算部は伝搬時間とエコー品質を評価します。停止や穴あけを避けたい設備で有効な場合があります。
外付けでも、すべてのタンクに使えるわけではありません。二重壁、ライニング、ジャケット、溶接部、腐食、厚い壁、空気層は音響経路を遮ります。泡、気泡、懸濁物も減衰を増やします。重要用途では事前の現場調査と信号試験が必要です。
選定前に確認する項目
- 連続測定、現場表示、警報、界面、独立した過充填防止のどれが必要か
- タンク高さ、壁材、厚さ、ライニング、ジャケット、断熱、設置可能位置
- 液体の密度、粘度、温度、圧力、泡、気泡、懸濁物、付着
- 撹拌、投入、排出、洗浄、振動、季節変化
- 防爆区分、必要認証、材質、独立警報の要否
設置と試運転
磁気式の側管は垂直にし、接続部へ無理な荷重をかけません。フロートの自由な動き、目盛と実液位の一致、スイッチと変換器の動作を確認します。遮断弁はフロートへの衝撃を避けるため徐々に開けます。
外付け式は、溶接部や深い腐食、内部障害物を避けた位置を選びます。表面を清掃して確実に固定し、複数の既知液位でエコーを確認します。
故障診断
磁気式が液位へ追従しない場合は、弁の開閉、接続部の閉塞、フロート密度、固着を確認します。現場表示と遠隔信号の差は、変換器の位置または校正が原因の場合があります。
外付け超音波の信号が不安定な場合は、音響カプラ、固定圧、設置位置、泡、気泡、温度を確認します。ゲインだけを上げると不要反射も強くなるため、先に物理原因を特定します。
見積依頼に必要な情報
タンク図面、レンジ、壁材と厚さ、ライニングまたはジャケット、圧力、温度、液体性状、出力、電源、認証を提示します。磁気式には密度と接続寸法、外付け式には設置候補の写真と泡・気泡・撹拌情報を追加します。
よくある質問
外付け超音波はすべての密閉タンクで使えますか。
使えません。壁と液体を通る信号経路を確認する必要があります。
磁気式は無電源で動作しますか。
現場の機械表示は通常動作します。遠隔変換器や警報接点には電源が必要な場合があります。
どちらの保守が少ないですか。
プロセスによります。外付け式は非接液ですが音響結合を維持し、磁気式は点検しやすい一方で付着物の清掃が必要です。
単独の過充填防止に使えますか。
リスク評価と規格で判断します。重要タンクでは独立した高レベルスイッチと定期機能試験を用いることが一般的です。
まとめ
磁気式は現場直読が必要で、側管と液体の適合が確認できる用途に向きます。外付け超音波式は新しい開口を作れず、音響経路が確認できる用途に有効です。実タンクと液体の情報に基づいて選定してください。
