S字型ロードセルは軸方向の引張力と圧縮力を測定できますが、力が反転する機械では、表示の符号が二つあるだけでは済みません。治具の遊び、予荷重、ケーブルの動きが、ゼロ付近の結果を変える場合があります。センサーと計器を選ぶ前に、押し引きサイクル全体を指定してください。
反転する力に対応するS字型ロードセルの選定
軸方向の引張・圧縮用の定格を持つ METRAVON MV-LC0099 には、500-2000 kgの範囲の定格荷重の選択肢が記載されています。これらの定格は、提示された力の表記基準と校正データに従って使用してください。最も小さい定格を、検出可能な最小の力とみなしてはいけません。

| サイクルの段階 | 治具の確認 | 保存する指示値 |
|---|---|---|
| 予荷重 | 有効な試験の開始前に組立状態で加わる力。 | 総荷重と、選択した風袋処理の基準。 |
| 引張 | 軸の芯合わせと、確実な引張用接続具。 | 基準の力と計器出力。 |
| 圧縮 | かじりや座屈のない、安定した圧縮荷重経路。 | 合意した符号での圧縮応答。 |
| 反転 | バックラッシ、接触状態の変化、ケーブルの引張り。 | ゼロ復帰と、力の方向が変わる間の挙動。 |
ブリッジを接続する前に測定入力を確認する
MV-LC0099の公称感度は2 mV/Vで、文書化された励起電圧範囲は10-12 Vです。両方を受信側のブリッジ入力に適合させてください。励起仕様の異なる変換器を、同程度のミリボルト信号を受けられるだけで互換と想定してはいけません。
ピークを捉える試験では、測定系全体の実用上の応答性能と記録速度を求めてください。静的誤差の数値では帯域幅は決まりません。最も滑らかな表示を選ぶのではなく、必要な事象の継続時間に対して、選定したフィルタリングを試験してください。
取付時の締付トルクをセンサー本体に加えない
承認済みの接続具と締付手順を使用してください。ねじの位置を合わせるために、固定された二つの取付部の間で検出部本体をねじらないでください。組立後に、ねじのかかり、緩み止め、芯合わせを確認し、ケーブルが拘束部材になることなく、意図した動きに追従できるようにしてください。
繰り返し動作が多い場合は、力の振幅、反転パターン、必要寿命を提示して評価を依頼します。安全過負荷は疲労定格ではなく、校正済みの使用範囲を広げるものでもありません。
試験治具に関する質問
Q1. 引張校正を圧縮にも使えますか。
該当する校正と受入要件による裏付けがある場合に限ります。組み立てた治具で、必要な各方向を検証してください。力が反転すると、機械的接触や芯合わせの状態が変わる場合があります。
Q2. なぜ同じゼロに戻らないのですか。
まず治具の動き、かじり、予荷重を点検し、手を加える前の指示値を保存してください。その後、電気系統とセンサーの状態を評価します。繰り返し風袋引きすると症状が隠れ、有用な根拠が失われます。
Q3. 既存のS字型ロードセルを置き換える際、何が互換性を決めますか。
定格荷重の一致だけでは不十分です。接続部、寸法、力の方向、励起、感度、必要な測定速度を比較し、設置状態での校正を計画してください。
まとめ
ピーク力と同じように、反転時の挙動と取付部を慎重に指定してください。サイクルと治具図面を添えて、 MV-LC0099の選定検討をご依頼ください。使用を予定するブリッジ用計器の情報も含めてください。
