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パルスレーダー式レベル計:選定・設置ガイド

2026-09-15

著者:Arvin 出典:METRAVON Instruments

パルスレーダー式レベル計の測定原理

パルスレーダー式レベル計は、アンテナから短いマイクロ波パルスを送信し、液体や粉粒体の表面で反射した信号の往復時間から距離を求めます。タンク高さと基準位置を設定することで、距離をレベルへ換算します。非接触方式のため可動部がなく、密閉タンク、反応槽、サイロなどに適用できます。

測定性能は周波数だけで決まりません。媒体の比誘電率、タンク形状、ノズル、攪拌機、蒸気、粉じん、結露、アンテナの向きがエコー品質に影響します。選定時はカタログの最大レンジだけでなく、実際のプロセス条件と設置構造を確認する必要があります。

選定に必要なプロセス情報

タンクの高さと直径、最小・最大レベル、温度、圧力、媒体名、比誘電率、泡や蒸気の有無を整理します。粉粒体では、安息角、投入位置、粉じん量、堆積形状、アンテナへの付着リスクも重要です。防爆区域では、ゾーン区分、ガスグループ、温度等級を明確にします。

さらに、要求精度、応答時間、電源、4–20 mA/HARTまたはRS485/Modbus RTU、プロセス接続、接液材質を指定します。同じ用途でも、腐食性、洗浄方法、結露条件が異なれば適切なアンテナやシール材は変わります。

26 GHzと80 GHzの使い分け

26 GHzは多くの一般的な液体タンクやサイロで実績があります。80 GHzはビームが細く、狭い容器、内部構造物が多いタンク、小さなノズルで有利です。ただし、高い周波数を選ぶだけでは誤エコーや付着の問題は解決しません。

周波数はアンテナ構造、媒体の反射特性、ノズル寸法と合わせて評価します。低誘電率媒体、強い結露、高温、厚い付着が想定される場合は、信号余裕と耐環境構造を個別に確認してください。

アンテナと材質の選定

ホーン、レンズ、フラット型などのアンテナは、ビーム幅、耐付着性、必要な取付寸法が異なります。アンテナとシールの材質は、媒体、温度、圧力、洗浄薬品に適合させます。外装の耐食性だけでなく、プロセスにさらされる部品の材質を仕様書で確認します。

結露が多い環境では、水滴が信号を弱めない構造や設置角度、必要に応じてエアパージを検討します。高温用途では放熱部や延長部を設け、電子部の許容温度を超えないことを確認します。

設置位置とノズル

投入流の直下、梯子、補強材、攪拌機の近くは避けます。アンテナ軸は代表的な製品表面へ向け、測定範囲全体でビーム内に障害物が入らないようにします。ノズルが長すぎたり細すぎたりすると、ノズル内部の反射が主エコーより強くなる場合があります。

設置前に、最低レベルでのビーム径を計算し、壁面や構造物との余裕を確認します。サイロでは投入時の粉じんと堆積角も考慮し、必要に応じて方向調整ブラケットを使用します。

配線と試運転

4–20 mA/HARTでは、電源電圧、負荷抵抗、バリアによる電圧降下、シールド接続を確認します。RS485/Modbus RTUでは、極性、アドレス、通信速度、終端抵抗、バイアス、接地方法を統一します。信号線は動力ケーブルから離して配線します。

試運転では空距離、測定レンジ、単位、出力方向、異常時出力を設定し、複数レベルで表示とPLC/DCS値を照合します。エコーカーブを保存し、固定物のマッピングは実レベル信号を消さない範囲で実施します。

トラブル診断と保守

指示値が跳ねる場合は、まずエコーカーブ、信号強度、アンテナ付着、投入流、ノズル反射を確認します。フィルタを強くする前に、設置条件と誤エコーの原因を特定してください。過度な平滑化は実際の急変や上限警報を遅らせます。

定期点検ではアンテナ、プロセス接続、ケーブルグランド、接地、腐食、エコー品質、警報履歴を確認します。初期設定、基準エコーカーブ、受入試験結果を保存しておくと、プロセス変化と機器異常を区別しやすくなります。

発注前チェックリスト

見積依頼にはタンク図、ノズル寸法、内部構造、媒体、温度、圧力、最小比誘電率、粉じんや泡、要求出力、防爆要件を含めます。供給範囲にはアンテナ、接続部、材質、認証、初期設定、取扱説明書、試運転支援を明記します。

採用判断は価格だけでなく、最悪条件での信号余裕、設置のしやすさ、診断機能、保守性で行います。適切なレベル測定点は、機器本体、ノズル、配線、設定を含む一つのシステムとして設計されます。

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